みなさんB級アクション映画はお好きですか?
僕はめっちゃ好き!!!!!
むらさきです。よろしくどうぞ。
インターンズ・ハンドブック:シェイン・クーン著
さて、この「インターンズ・ハンドブック」ですけど。
「このミステリーがすごい!2019年版」にて海外編9位にランクインした作品だそうですよ!
いやぁ、恥ずかしながら僕はそんなことぜんっぜん知らずに購入したわけなんですが。
著者であるシェイン・クーン氏(シェーン・クーンとも)は、元々B級映画作品の脚本や監督をやってきたベテランです。
脚本を担当した映画は、2007年公開のスプラッター系ホラー「デスバーガー」や、ビデオスルーで2014年発売の「エネミー・ライン4ネイビーシールズ最前線」など。
前者は簡単に言うと、強烈なキャラでもないし主人公たちのイチャイチャも邪魔しない中途半端な殺人鬼ピエロのお話。
後者は「ネイビーシールズ版ランボー」で、いちばんライフルぶっ放して欲しい俳優がまさかの全然撃たない映画。
ここまでだと全然良いイメージがないですなあ!
あ、デスバーガーのほうは言っておくけどめちゃくちゃ笑えます。大笑いできるホラーです。
そんな著者の小説デビュー作である「インターンズ・ハンドブック」をレビューしていきますよ~!
「インターンズ・ハンドブック」それは殺し屋のための指南書である。
インターンは透明人間だ。たとえ百回名乗ったとしても、重役たちがその名前を憶えてくれるなんてことはぜったいにない。なぜなら彼らは、組織の最底辺でただ働きしているような人間のことなど、屁とも思っていないからだ。そのくせ重要な仕事を次から次にふってくる。つまりこちらがよろこんで引きうければ引きうけるほど、仕事は――おまけに信用とアクセスも――向こうからやってくる。最終的には、命まで預けてくるようになる。そのときこそ、ターゲットの命をもらうチャンスだ。――「インターンズ・ハンドブック」
出典:「インターンズ・ハンドブック」序文
企業などの要人殺害のために送りこまれるインターン(研修生、実習生)の皮を被った殺し屋。
その殺し屋たちを束ねるHR社のベテランであるジョン・ラーゴが最後の仕事を引き受けた。
インターンでいられるのにも年齢的な限界がある。25歳のジョンが最後の仕事を”殺し”の後輩たちへの指南書として1冊の本として書き上げたものが「インターンズ・ハンドブック」だ。
ジョンが殺し屋としてのぞむ最後の仕事のターゲットは弁護士。
そいつはFBIの証人保護プログラムの証人リストを、マフィアや麻薬カルテルに売り払っているらしい。
本来であれば誰かはっきりしているターゲットだが、今回の仕事はターゲット候補が3人も。
異例である仕事に違和感を感じつつも、ターゲットたちが経営する法律事務所でインターンとして働き始めたジョンはまずターゲットを絞り込むことになる。
そして1年先にインターンとして働いていたFBIの潜入捜査官アリスとの出会いを、上司の指示もあってジョンは利用することに決めた。
そのためには、孤児でありこれまで愛を知る機会のなかったジョンにはいちばん難しい「恋愛」もこなさなければならない。
映画を引用しながらアリスとの仲を進めながらも、ジョンの最大の目的であるターゲットの殺害への道も着々と進む。
ターゲットも絞り、いざ殺すとなったその時、ジョンの携帯に上司からの連絡が入った。
「中止だ。ターゲットはそいつじゃない」
命からがら逃げ出し一転、別のターゲットへの作戦を進めるジョンだが、そんなときにアリスから孤児であるジョンの父親が生きていると知らされる。
あらゆる問題を抱えながら殺し屋ジョン・ラーゴは、最後の仕事をどう終えるのか。
「インターンズ・ハンドブック」はこんな人にオススメ
- ジャンル問わず映画好きな人
- B級アクションの雰囲気が好きな人
- どんでん返し好きな人
- さっと読み終えたい人
映画好きの殺し屋主人公がヒロインとくんずほぐれつしつつも日常的に人を殺し殺されかけなノンストップミステリー(笑)サスペンス!
こんなん厨二病患者は絶対好きです。
以上を踏まえたうえで感想にまいりましょー!
「インターンズ・ハンドブック」の書評・感想
まず言わせてください。
大 好 物 で す !
この本、定年退職する殺し屋が後輩たちのために書いたハンドブック(指南書、手引書)という形式で書かれた小説なんですけど、
汚い軽口!暴力!銃弾!火薬!のオンパレードなんですよね。
そう!
この小説!!
観終わったあと頭空っぽになるタイプのアクション映画なんです!!!
新人のただ働き同然のバイト君に扮したら、人殺すのめっちゃ簡単じゃねえ?って導入からして中二心くすぐります。
文字で読むアクション映画ですよもはや。
視点が主人公の一人称から描かれてるので、サクサク読めるのも相まって読了までは爆速でした。
さすが脚本家が書いてるだけあるなあ、と。
んでもって、主人公であるジョン・ラーゴが大の映画好きで、実在映画のセリフや言い回しがしょっちゅう出てきます。
わからない映画があると少しもやっとするシーンも多いですが、そこから興味を持って映画のほうも……なんて展開もあるかもしれないですね。
この主人公のジョンがですね、軽いノリで人も殺すわ口は悪いわでなかなかにぶっ飛んでます。
読みながら「映画化するなら主演はライアン・レイノルズだな。あ、でもそんなに身長高くない描写あるし25だから無理か」なんて思ってました。
主な内容としては、人のあらゆる殺し方、女性との恋愛方法、どうやって生き延びるかなどを同じ殺し屋である後輩に向けたハンドブックという建前なわけですけど、あくまで建前なので実質内容はほぼジョンの自叙伝といって差し支えないです。
かなり強烈な自分語り野郎ですね。おもしれえから読むけど。
まあ少し先が読めるような展開もありますが、それを含めて伏線でさらなるどんでん返しが最後に待ってます。
ちょっとやりすぎ感も否めなかったですが笑
同じ法律事務所で1年先に潜入捜査をしていたアリスというFBI捜査官の女性との恋模様。
ジョンの所属するHR社での上司であり、殺し屋としての育ての親ボブとの確執。
生きていると判明した実の父親との接触。
そんなメインの殺し屋部分以外のジョンを読んでいくのも楽しいポイントです。
続編がすでに出版が決定されているようなのでそちらも僕は買います!最後の終わり方が不満だったので。
ぱぱっと読んで頭空っぽにしたいな!というアクション好きのそこの貴方。
「インターンズ・ハンドブック」ぜひ一度読んでみては?
あ!映画化するならジョンはタロン・エガートン(ライアン・レイノルズがもうちょっとチビで15歳若かったらよかったのに)、アリスはエマ・ストーンでお願いね!
むらさきでした。では、また。